大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

エジプトへの逃避「ブシコー元帥の時禱書」より

建物の開口部を枠組みとすることで奥行きを表し、現実感を強めている。聖女カタリナが現れている元帥の私室は彼の紋章・標章などが用いられた宮廷趣味の装飾で飾られている。
ブシコーの画家はイタリア絵画からの影響を受けて、新しい表現技法を取り入れ、後にそれがネーデルラント絵画で発展する基礎を作った画家だった。しかし本質的には国際ゴシック様式の画家だったといえる。
ブシコーの画家をブリュージュ出身のジャック・ケーヌとする説は以前からあったが、再びこの説が提唱されている。ジャック・ケーヌはパリで活動した後、1402年から04年にかけてミラノ大聖堂で働いている。可能性のある候補者だが確証はない。

世界美術大全集10 ゴシック2 1400年代

聖女カタリナの前で祈るブシコー元帥「ブシコー元帥の時禱書」より
ブシコーの画家(ジャック・ケーヌ?)
1405〜10年頃 写本装飾 27.4×19cm
フランス パリ ジャックマール・アンドレ美術館